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第十四章後編

 

 

「・・・・蒼炎刀か。」

 

布をほどくと刀全体が明らかになる。

抜刀はしてないが、今のところ見た目は普通の刀とあまり変わらない・・・強いていうなら、異常なぐらい自分の手に馴染むということだ。

 

(・・・・ガルナがこの刀を俺に渡した意味は何だ?)

 

この刀が単純に俺の役に立ちそうだからというわけではない。何か意味がある気がする。

この蒼炎刀を持っていると、何故か・・・・実際に刀を初めて持ったときの記憶が思い出される。

あれは初めてアキトに会ったときだ・・・戦うことを決めたときの記憶が蘇ってくる。

 

(俺に・・・・覚悟を決めろというのか、ガルナ?)

 

コンコンッ

 

「・・・・・鍵は開いている。」

 

刀身を見てみようと、抜刀しかけたときに、ノックの音に気づいて手を止める。

 

プシューッ

 

「・・・・」

 

音がしてドアが開くとエリスがいた。

 

「・・・エリス、どうしたんだ?」

 

いつもこの時間は機体の整備はしているはずだ。

 

「・・その刀は?」

 

「・・・・ん?ああ、ガルナから貰ったものだ。まぁ、刀と呼べるかどうかは怪しいけどな。」

 

「・・・?」

 

「遺跡やらナノマシンやら謎の物質で作ったらしいんだ。」

 

「・・・大丈夫なんですか?」

 

その疑問はもっともだ。そう、・・・普通なら。

 

「まぁ・・・ガルナが『役に立つだろう』・・・って言ったからには大丈夫なんだろうな。

 ・・・俺が作った『それ』よりはマシなことは確かだろうな。」

 

机の上に置いてある電磁ショックブレードを指す。

 

「・・・・信頼してるんですね。」

 

「まぁ・・・変わった奴だけど、誰よりも頼りになるのも事実だしな。」

 

苦笑する。今まであいつに振り回されたことは多々あったが、その全てが俺の為になっているのも事実だ。

それに・・・・あいつは誰よりも強い。

 

「・・・どうしてライブレードに乗ることを決めたんですか?」

 

「・・・」

 

いきなりだった・・・いつかは聞かれるとは思っていたが・・・

 

(・・・・・もう、話さないわけにはいかないか。たとえ、話した結果どんなことになろうとも。)

 

「・・ガルナに言われたんだ「このままレイアル・クローゼに乗っていると死ぬ。」ってね。」

 

「・・・っ!?」

 

「もともとあの機体に乗ること自体が寿命を縮めるようなものなんだ・・・・

 今の俺の状態では・・・・負荷に耐えられないらしい。」

 

「そんな・・」

 

「だからライブレードに乗って戦う・・・そう決めた。」

 

「・・・」

 

「そういえば・・・・そんなことも話してなかったな。

 ちょうどいい機会だ・・・もし、エリスがライブレードにまだ乗るつもりなら聞いてほしいことが・・・

 いや、話しておかなければならないことがある。」

 

「・・・・」

 

「あの機体はサブパイロットの精神が汚染される可能性があるんだ。」

 

「えっ?」

 

「最悪の場合はサブパイロットの精神が崩壊して死ぬ。」

 

「・・・」

 

「ガルナから聞いてなかったのか?」

 

「・・・はい。サブパイロットの役割ぐらいしか・・・それにそんな危険があるなんてことは誰も・・」

 

「そう、危険はないんだ、普通なら・・・メインの操者が俺じゃなかったらの話だ。」

 

「・・どういうことなんですか?」

 

「あの機体に乗って、わかったことが一つある。・・・あの機体ではサブパイロットとパイロットの意識が若干リンクしている。

 リンクしていることはお互いに感情、考えなどが流れ込んでくるってことだ。」

 

「・・・はい、それはあのときに何となく感じました。」

 

「・・俺の精神が流れ込んでいくってことは俺の殺意や負の感情そのものが流れ込んでいくということになる。

 わずかにリンクしているだけでも、どんな悪影響が出るかわからないんだ。」

 

「・・・でも、悪影響が出ると決まったわけじゃ・・」

 

すぅ・・

 

心を静め、感覚を研ぎ澄まして記憶を呼び戻す・・・そう、一年前の頃の記憶を。

 

「・・・?」

 

キィィィンッ!!!!

 

「うっ・・・あっ・・」

 

開放した殺気にエリスの目が怯え、身体は震えている。

憎しみと負の感情で体内のナノマシンが輝いている。

 

「・・通常の人間の殺気や負の感情なら問題ないんだがな・・・俺達の場合は違う。」

 

「・・・」

 

「・・・・怒り・・憎しみ、殺意・・そういった感情を無理矢理開放させられ続けてきた。

 だから戦いのときにはどうしてもそういったものが開放される。」

 

ふっ・・

 

開放していた殺気を全て押さえ込む。エリスの身体が金縛りから解けたかのように座り込む。

 

「あの機体に乗るとどうしても影響を受ける・・・もう一度だけ考えてくれ。

 ライブレードに乗るかどうかを・・・」

 

それだけ言うと、まだ動けないエリスを置いて部屋を出た。

 


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