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第六章 GU 後編

 

「街の被害は?」

「例の地区は壊滅……に近いですね。

 無人兵器は全滅させたのでこれ以上近隣への被害が広まることはないでしょうが。」

 

あれからゼイフォンのオーバーホールが終わるのを待ち、出撃し残った無人兵器は全て殲滅した。

 

「そうか……他の街へ被害が広まらないのがせめてもの救いだな。

 奴等の姿は?」

「CHARIOT、HIEROPHANT両名の姿は確認されていません。」

 

「ハーリー君、ラピスちゃん、最近の木星蜥蜴の動きはどうなってる?」

「えーと、急に動きが鈍くなったみたいですね……」

「活動率が65%に減少、同時に動きがバラバラになってるみたい。」

 

一時期活発化していた木星蜥蜴も今では落ち着いたようだ。

 

「……やはり奴等が介入していたのか?」

「おそらくは。」

 

「あの、カザミさん。ちょっと聞きたいことがあるんですが……」

「うん?」

 

「CHARIOT、HIEROPHANT、彼等は一体何者なんでしょうか?

 火星の後継者側……ええと、今は木蓮でしたっけ。

 そっちの勢力側の人間なんでしょうか。」

「……」

 

ハーリーの質問にカザミが黙り込む。

少し考えた後、言葉を選ぶようにして

 

「多分……違う。」

 

「え、でも無人兵器は?」

 

「もし奴等が木蓮側の人間だとしたら……アキト一人に執着する理由がない。

 連合宇宙軍を狙うべきだ。

 アキトの戦力は確かに奴等にとって脅威だが、それでも奴等の敵は連合宇宙軍、そして地球だ。

 奴等はA級ジャンパーの能力に、独自の強力な機動兵器に無人兵器を操る技術がある。

 アキトの乗るナデシコが地球を離れている今が地球を叩く絶好の機会のはず。」

 

「なるほど……あれ?でもGUの研究は火星の後継者が行っていたはずじゃあ。」

「ああ。だがCHARIOTの奴が火星の後継者を騙しているといった。

 利用していただけなのかもしれない。」

 

「それに不思議なことにね、ハーリー君。

 CHARIOT、HIEROPHANT、奴等はEMPERORの命で動いていると言ったんだ。

 草壁も木蓮も一言もでてこないんだよ。

 関係者の名前すら出てこないんだ。」

 

……確かに妙ですな。あの手の人間は名乗りたがるもの。

 北辰のように影の者だとしても北辰本人はおろか部下の姿形はおろか痕跡すらない。」

 

「何で……アキトを狙うの……?」

「それは……」

 

ラピスの言葉に全員が黙り込む。

一番の謎はそこだ。

 

(あいつらはアキトの両親が起こした何かが始まりだといった。

 アキトの両親は何者だったんだ?)

 

「そうえいばGU計画のGUって何の略なんでしょうね。」

「え?」

 

ハーリーの呟きに現実に引き戻される。

 

「実験番号か何かで深い意味はないのでは?」

 

カイが答える。

 

「いや、それは違うな。」

 

「ガルナ!?お前いつから……」

「うわっ、びっくりした!」

 

「GUという名前には意味がある。

 俺に実験の際に注入されたナノマシンにそのデータがある。」

 

「知ってたのかよ!」

「聞かなかっただろう?」

 

「そうだけどな……なぁ、ガルナ。

 GU計画って何なんだ?」

 

Guardian Second Project の略称だ。

 本当はもっと長い名前だったらしいが随分と簡略化されたらしい。」

 

「ガーディアン……?

 何を守るっていうんだ?」