二人の電子の妖精 第一話
ラピス偏
(・・・・アキト。)
目の前の寝台では過酷な戦闘で疲労し、アキトが眠りについている。
復讐が終った後でも・・・アキトはずっと戦っている。
火星の後継者の残党・・・その人達を倒すために、戦いや訓練の日々を送っている。
戦っているからアキトは私を必要としてくれている。
以前と同じような日々・・・・アキトが復讐を果たすまでと変わらないような日々。
(でも・・・アキトは・・・変わった。)
アキトは以前よりも私にリンクを介して話し掛けてくることが多くなった。
それは嬉しかった・・・。でも・・・
キィィィィン
アキトの顔のナノマシンが発光している・・・アキトの感情が乱れているのがリンクを通して伝わってくる。
今・・アキトは夢を見ている。アキトは最近、夢を見るようになった。
(・・・・アキト、また・・・あの夢を見てる。)
リンクに集中すれば夢の内容を感じ取ることもできる。
今アキトが見ている夢は・・過去の記憶・・・あの2人の記憶。
その記憶がアキトを苦しめ、葛藤させているのを感じる。
1人はアキトが救出した女の人・・・、そしてもう1人は・・あの戦いのときにワタシに話し掛けてきた自分と同じマシンチャイルド。
地球でそのマシンチャイルド・・・・ルリに会いにいったときアキトはワタシを一緒に連れて行ってくれなかった。
その理由がわかった・・・・アキトは戦いになるから危険だと言っていたけど、本心は覆い隠していた。
(ワタシとルリは同じ。)
同じだったから・・・ワタシがアキトの傍にいて、アキトがルリの傍にいられないことを知られたくなかったから。
離れていてもそのときのアキトの感情はリンクを通してわかった。
感じたものは・・・懐かしさ、優しさ、苦しみ、後悔・・・いろんなものが混じりあった感情。
でも、ワタシに向けられるより感情よりも優しかった。
「・・・アキト・・ドウシテ?」
ワタシはアキトの目、アキトの耳、アキトの手、アキトの足・・・・アキトに必要とされているから私は生きている。
ワタシにとってアキトが全て・・・でも、アキトは?
(・・・ラピス、どうした?)
アキトの思念を感じて振り返ると、アキトが体だけを起こしてワタシを見ていた。
(・・アキト・・・・・アキトはルリに・・・会いたいの?)
(・・・・俺は彼女に会う資格なんてないよ。)
自嘲気味に笑うアキト・・表情はバイザーに隠れてわからないけど、感情はリンクを通して伝わってくる。
(アキト・・・アキトにはワタシがいる。)
(・・・・ラピス?)
(ワタシが・・・ルリの代わりになるから・・・・アキトの傍にいるから・・)
(ありがとう、ラピス・・・でも、代わりになんかならなくていいんだ。)
(ドウシテ?・・・ワタシじゃダメなの?)
「違うんだ・・・そうじゃないんだ。」
(・・・アキト?)
(ラピスはラピスだ・・・ルリちゃんじゃない。)
(でも・・・・アキトはワタシが傍にいてもルリのことを考えている。)
(・・・・)
(アキト・・・アキトにはワタシが必要ないの?)
「・・そんなことはない。」
(・・・じゃぁ、アキトの傍にいていいの?)
アキトの目をじっと見る。バイザー越しで表情はわからない。
「ああ・・・傍にいてくれ、ラピス。」
(うん・・・ワタシはずっとアキトの傍にいる。)
ルリと比べるとワタシは何も持ってない。アキトの心を・・・過去を占めているのはワタシじゃない。
ワタシに出来ることはアキトの5感を補うことだけ。でも、それだけだとアキトの空虚は埋まらない。
アキト・・・ワタシはルリには勝てないの?
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後書き
・・・し、シリアスに書くのって難しい(汗)
続きが読みたいという方、にお願いします。
あと、ラピスとルリ、どっちを支持するかという意見も聞いてみたいので、そのへんのも教えてくれると嬉しいです。